熱分析は、食品業界の原料の品質評価や製品開発、保存性の検証において重要な役割を担っています。チョコレートや乳製品、油脂などは温度変化によって物性が変化するため、融解や結晶化、ガラス転移などを正確に把握することが欠かせません。本記事では、食品業界で活用しやすい熱分析装置のおすすめ3機種を紹介します。
DSCvesta2(リガク)

引用元:https://rigaku.com/ja/products/thermal-analysis/dsc/dscvesta2
| 会社名 | リガク・ホールディングス株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 東京都昭島市松原町3-9-12 |
| TEL | 042-545-8111 |
融解温度や結晶化温度、ガラス転移温度などを高精度で測定できるため、製品の品質管理や配合設計に役立ちます。DSCvesta2の大きな特徴は、業界初とされる自己診断機能「vestaeye®」を搭載している点です。
装置内部の状態を常時監視し、潜在的なトラブルを早期に発見できるため、安定した測定環境を維持しやすくなっています。食品メーカーでは継続的な品質管理が求められるため、装置の信頼性向上は大きなメリットといえるでしょう。
また、測定温度範囲は最大で-180~725℃と広く、冷凍食品の低温特性評価から高温加工食品の研究まで幅広い用途に対応可能です。さまざまな冷却オプションを選択できるため、食品の保存条件や加工条件に応じた測定が行えます。
さらに、オートサンプルチェンジャーを搭載した場合は最大52試料をセットでき、最大1,000回の連続測定にも対応します。多数のサンプルを評価する必要がある食品メーカーや受託分析機関では、測定作業の効率化につながります。食品のロット管理や研究開発部門での大量評価に適した装置です。
DSC-60 Plusシリーズ(島津製作所)
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引用元:https://www.an.shimadzu.co.jp/products/thermal-analysis/differential-scanning-calorimeters/dsc-60-plus-series/index.html
| 会社名 | 株式会社 島津製作所 |
|---|---|
| 住所 | 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 |
| TEL | 075-823-1111(代表) |
研究開発から品質管理まで幅広い用途に対応できる点が特徴です。本シリーズは-140~600℃の広い温度範囲で安定した測定を実現しています。
液化窒素を利用することで低温領域の測定も可能となり、冷凍食品やアイスクリームなどの品質評価にも対応できます。食品の保存温度変化による物性変化をくわしく解析したい場合に有効です。
また、安定したベースライン性能と高感度測定により、わずかな熱変化も検出できます。食品原料に含まれる脂質や糖質の相転移、結晶構造の変化などを詳細に評価できるため、製品品質の向上や製造条件の最適化に役立ちます。
オプションとしてTM-DSC(温度変調DSC)にも対応しており、通常のDSCでは分離が難しい熱現象を解析できる点も魅力です。たとえば食品中で重なって発生する熱現象を分離して解析できるため、より高度な研究開発に活用できます。
さらに、LabSolutions TAソフトウェアによって測定から解析、レポート作成までを効率的に行えるため、日常業務の負担軽減にもつながります。
熱分析システム DSC3(メトラー・トレド株式会社)

引用元:https://www.mt.com/jp/ja/home/products/Laboratory_Analytics_Browse/TA_Family_Browse/ta-instruments/thermal-analysis-system-DSC-3.html?_gl=1*130qp3m*_up*MQ..&gclid=CjwKCAjw1NK4BhAwEiwAVUHPUJWteD9C3muK5vYX_RMoqBR-R56vF-wAg6JMpA3-lWMR16ot0v_dWBoCcK8QAvD_BwE
| 会社名 | メトラー・トレド株式会社 |
|---|
食品の食感や保存安定性を左右する熱的挙動を詳細に把握できる点が特徴です。DSC3は高性能センサーを搭載しており、微小な熱変化を高精度に検出できます。
食品原料のわずかな品質差や配合変更による熱特性の違いも把握しやすく、研究開発段階でのデータ取得に適しています。とくに高付加価値食品や機能性食品の開発では、こうした高感度測定が重要になります。
また、幅広い温度領域で安定した測定が可能であり、冷凍保存から加熱加工までさまざまな条件を再現できます。食品は製造工程や保管環境によって品質が変化するため、実際の使用環境に近い条件で評価できる点は大きな利点です。
さらに、解析ソフトウェアとの連携により、融解ピークや結晶化ピーク、比熱変化などを効率的に評価できます。複数サンプルの比較や品質基準の作成にも活用しやすく、品質保証体制の強化にも役立ちます。
食品メーカーでは、新製品開発だけではなく既存商品の品質維持にも貢献する熱分析システムとして導入されています。